170 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 15:10:35.07 ID:sHzD4bnL0


数日前、ブーン家。

クーからのOKサインが出てからブーンはトーチャンにある頼み事をした。
それは、お金をくれということ。
ブーンが夢をかなえるのにはまとまったお金が必要だ。
だが、学生であるブーンにはそれほど蓄えはない。
親に迷惑をかけたくないブーンだったが、クーに諭されお金をせびる事にした。

( ^ω^)「トーチャン話があるお。」

新聞を読んでいたトーチャンがブーンのほうを見て話す。

(`・ω・´)「ん、なんだい。」

もじもじしながらブーンがお願い事をする。

( ^ω^)「あの、いいにくいんだけど…
      お金が欲しいお。
      クーさんと話し合って、ある夢を叶えたくなったお。
      でもそのためにはお金が必要だお。
      僕んちにどれだけ余裕があるか知らないけど
      よかったら少し僕にくれないかお。」
 


171 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 15:12:33.09 ID:sHzD4bnL0


ストレートに切り出す。
だがトーチャンは顔色を変えず席を立っていった。
カーチャンは何も言わず食器を洗っている。
ブーンは言い方をまずったかなと思うと同時に
親孝行もしていないのにお金をせびる自分がみっともなくなった。

1、2分後、トーチャンが分厚い封筒を持ってきた。

(`・ω・´)「この中に二百万ある。
      私と母さんの老後を考えても余分と思える
      我が家の貯金がこの中に入っている。
      私の条件を聞いてくれたらこれをあげよう。」

こうゆうときが来るのを予想してトーチャンが用意していたようだ。
ただブーンは条件というのが気になった。
しかしトーチャンが難癖をつけて渡さないという考えはなかった。
 



172 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 15:16:08.06 ID:sHzD4bnL0


( ^ω^)「条件って何だお?」

(`・ω・´)「条件というのは簡単だ。約束すること、それだけだ。
      一つ、人に奢ったりしないこと
      二百万は学生にとっては大金だろう。
      ブーンが心細いのをいい事にたかり始めるかしれん。
      また、お前が、病気だからといって
人に媚びるような人間にはなって欲しくない。」

(`・ω・´)「二つ、私にその夢を聞かせること。
     その夢がなんでもいいが、やっぱり気になるじゃないか。
     笑ったりしないから教えておくれ。」

簡単な条件だった。一つ目はブーンがしっかりしていればそれでいい。
ブーンは自信があった。トーチャンの言うように人に媚びないという自信が。
それにカウンセリングの効果もあり、だいぶ落ち着いてしっかりとしてきたブーンは
トーチャンの言いたいことがよくわかった。
自分が半年病だということをよく理解していた。

二つ目は親に話すのは恥ずかしかったがクーに言ったことをそのまんま伝えた。
それを聞いたトーチャンは微笑んで封筒をブーンに渡した。
ブーンが喜んで部屋へと戻る。どうやら計画を練るようだ。



173 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 15:17:38.71 ID:sHzD4bnL0


カーチャンと二人きりになったリビングでトーチャンが話し出した。

(`・ω・´)「聞いてたかカーさん。
      小さい頃と変わってなかったなあ。」

J( 'ー`)し 「そうね、でもあの子らしいじゃないの。」

(`・ω・´)「そうなんだがなあ。
      どうも少し青臭いような気もするんだがなあ。
      感動を与えるんだ、って。」

J( 'ー`)し 「あら、そんなこと言って。あなたがブーンより
      3、4歳上のときにこう言ったの覚えてる?
      俺はこの仕事で、俺に関わる人を皆幸せにするんだ、って。
      ブーンのこと少し青臭いっているなら、
      あの頃のあなたはどれくらい青臭いんでしたっけねぇ。」

トーチャンが思い出したくない過去を振り返り恥ずかしげな顔をしている。

(;`・ω・´)「いやまあそんなことも言ったけど、それは若気の至りというものじゃないか。」

J( 'ー`)し 「あらあら、顔がまっかですよ。
      でも、あなたその時頑張ってたじゃないですか。
      あたしはそこに惹かれたんですけどもね。」

いきなりの言葉にお茶をむせ返させるトーチャン。
 

175 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 15:19:31.06 ID:sHzD4bnL0

そして誰に言うわけでもなく喋り始めた。

(`・ω・´)「そういえば、いつからかなあ。
     そんな青臭い夢を忘れたのって。
     なつかしいな。でももうあの頃にはもどれないんだよなあ。」

J( 'ー`)し 「いまからでも青臭くなればいいじゃないですか。
      やってみなけりゃ何も始まりませんよ。
      あの二百万円だって本当はハーレー買うつもりだったんでしょ。
      青春を取り戻す気満々じゃない。」

(;`・ω・´)「なんで知ってんの?黙ってたのに。」

J( 'ー`)し   「だってあなたいつも車からバイクが見えると
ものほしそうな目してたじゃないですか。
誰でもわかりますよ。」

そういってブーン家の夜は更けていった。
トーチャンは翌日カーチャンからニヤニヤされっぱなしだったのをブーンは見ていた。

 

 

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