144 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 12:35:19.84
ID:WJWy5WeR0
- ――――第四話
朝、いつも通り起き学校へむかう。
教室にいくために誰もが必ず行く昇降口の下駄箱。
そこが毎日通らなければいけない第一の関門であった。
( ´ω`)「はぁ・・・・。今日は一体なにがあるのやら・・・・」
下駄箱を開ける。
上履きはない。代わりに割られている生卵や生肉が置いてあった。
( ´ω`)「・・・・・僕の上履き」
しまった、盗まれた。
この前も盗まれ新品を買ったばかりだったのに。
146 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 12:37:54.37
ID:WJWy5WeR0
- ( ´ω`)「・・・・カーチャンになんて言い訳しよう」
うまく言わなければ自分が虐められていることがばれてしまう。
それだけは絶対嫌だった。
虐めっ子達にされる復讐と何より自分の惨めさが家族にばれてしまうのが怖かった。
あれこれ考え、職員室へ行く。
( ´ω`)「先生、スリッパ貸しほしいお」
( ´∀`)「そこにあるからもってけモナー」
先生はなぜスリッパを借りたいのか聞かない。
おそらく僕が虐められているのを知っていて、厄介ごとに絡まれるのが嫌だからであろう。
そんな自分の身をまもる先生のことが僕は嫌いだった。実際にドラマやマンガにいるような先生はいない。
わかっていることだけど僕自身そんな先生を求めていることがなぜかおもしろかった。
147 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 12:41:26.59 ID:WJWy5WeR0
- 教室。
- そこは僕というペットを繋ぐ柵。ペットは飼い主から逃げられない。
扉を開ける。
_
( ゚∀゚)「ブーンがきたぞ〜〜〜〜〜〜!!!!」
馬鹿が騒ぐ。
( ,,゚Д゚) 「お前朝の挨拶はどうしたゴルァ!!!」
ギコが僕を睨みつける。
( ´ω`)「お、おはようございますお」
( ,,゚Д゚) 「っけ」
僕が自分の席に座ろうとすると、ドクオが目の前にくる。
そして殴る。何も喋らず。
(メ´ω`)「・・・・・ググググうぅぅうううぅぅ・・・」
気が済んだのだろうか。
彼は殴るのをやめ、自分の席に戻る。
僕も自分の席に座ろうとしたところで先生がくる。
148 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 12:45:39.11 ID:WJWy5WeR0
- ( ´∀`)「おまえら座れモナー」
全員が座ったことを確認するとモナー先生は出席簿をつけ、連絡事項を喋る。
HRですることを全て終え、教室から出て行こうとするモナー先生をクーがとめる。
川 ゚ -゚)「先生!!私の財布がありません!!!」
その一言で教室に緊迫が走る。
その空気の中プギャーが手を上げ、喋る。
( ^Д^)「俺、ブーン君が素直さんの財布を盗むのをみました」
_
( ゚∀゚)「俺もみました」
( ´ω`)「・・・え?」
( ´∀`)「・・・内藤。とりあえずカバンをみせなさい」
モナー先生が僕のカバンをのぞく。
そこには高そうな財布が一つ。
150 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 12:51:02.54
ID:WJWy5WeR0
- 川 ゚ -゚)「先生、その財布私のです!!!」
教室がざわめく。
僕は・・・・・犯人じゃない。
( ´∀`)「とりあえず、職員室にいこうか」
( ´ω`)「ぼ・・・・ぼくは・・・・ぼくは・・・・」
ξ゚听)ξ「内藤君は素直さんの財布を盗んでなんかいません。素直さん本人が内藤君のカバンに入れてました」
川 ゚ -゚)「・・・・こらっツン!喋るなよ!」
( ´∀`)「素直・・・本当か?」
川 ゚ -゚)「間違って入れちゃったかも☆」
( ´∀`)「遊びはほどほどにな」
モナー先生はそれを告げると教室がでていく。
僕にはなんの謝罪もなしに。
151 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 12:55:40.13 ID:WJWy5WeR0
- 川 ゚ -゚)「・・・・まったく、ツン、そんなことをしたらつまらないじゃないか。ピザを停学にできたかもしれないのに」
ξ゚听)ξ「・・・・えっと・・・・その・・・・・ブーンが停学になったらその間つまらないじゃない?」
それもそうだな、と呟くがその顔は残念そうだ。
僕は知っている。
彼女は口ではそう言っているが僕を何度も救ってくれていることを。
僕はそんな彼女が好きだった。
毎日続くこの日常。そのなかに彼女がいるだけで僕は虐めに耐えられた。
152 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 13:00:02.64 ID:WJWy5WeR0
- ――――放課後。
僕はツンを屋上に呼びだした。
ξ゚听)ξ「話って・・・・なに?」
彼女はそうきりだす。
( ^ω^)「いつも・・・・・僕を虐めからまもってくれて・・・・ありがとうだお」
彼女の顔は赤くなる。
ξ///)ξ「べ、別にまもってるわけじゃないんだからね!!」
僕は、素直になれない彼女、ツンがたまらなく可愛かった。
( ^ω^)「ツン、僕・・・・きみのことが好きなんだお」
あまりに唐突な告白。
彼女は面食らったのか動きがとまる。
155 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 13:04:20.09
ID:WJWy5WeR0
- ξ゚听)ξ「・・・・本気で言っているの?」
( ^ω^)「僕は・・・・本気だお」
彼女は黙る。いや、考えているといったほうが適切な表現かもしれない。
僕の誘いを断る方法を。
ξ゚听)ξ「・・・ごめんなさい」
数秒たち、出てきた答えはいたって簡潔。
彼女はそれだけいうと屋上から出て行った。
( ^ω^)「あ〜ぁ、ふられちゃったお」
その場にどさっと寝転がる。
自分の気持ちを伝えれたこの淡い気持ち。
なぜか充実した気分になっていた。
「ふられたようだね」
突然向けられるその言葉。
僕は驚き立ち上がる。
156 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 13:08:24.27
ID:WJWy5WeR0
- ( ^ω^)「モララー・・・・君」
( ・∀・) 「すまない。立ち聞きするつもりはなかったんだ」
( ^ω^)「モララー君は・・・どうしてここに?」
( ・∀・) 「僕は毎日屋上にいるよ。ここの風は気持ちいいからね」
ふわぁっと流れる風。
たしかに気持ちがいい。
モララー君はその風を肌で感じたあと、僕の顔を覗く。
( ・∀・) 「君はなぜ生きているんだい?」
(;^ω^)「・・・・え?」
予想だにしない質問。
彼が何を言っているのかわからなかった。
157 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 13:12:21.67
ID:WJWy5WeR0
- ( ・∀・) 「君は毎日虐められ、頭もよくないし運動もまるでできない。しかもふられたときた。
さて、君はなぜ生きているのでしょう?」
(;^ω^)「何を・・・・・・言っているんだお?」
( ・∀・) 「ホントに馬鹿なんだな君は。だからなんで君は生きているんだと聞いているんだ」
その顔は真剣。
とても冗談を言っているわけではないようだ。
その顔が・・・怖い。
(;^ω^)「生きるのに・・・・理由は必要かお?」
( ・∀・) 「必要ではない。ただ、意義は必要だ」
彼の顔は、新しいおもちゃを与えられた子供のような無邪気な顔をしていた。
(;^ω^)「急にそんなこと言われても・・・・」
手を、広げる。
158 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 13:16:26.32
ID:WJWy5WeR0
- ( ・∀・) 「僕の父は日本有数の総合病院のオーナーであり、医学会においての最高権威者の一人だ。
僕はそんな父に憧れているしそんな父の後を継ごうと思い日々を生きている。君はどうだい?」
(;^ω^)「ぼっ・・・・・僕は・・・・・僕は・・・・・・!!」
( ・∀・) 「生きる価値のない君は死んだも同然。ならば死んだ方が良いのではないか?この日常から解放されるんだよ?」
思わず後ずさりをする。
そんな僕にモララー君はどんどん前に出てくる。
(;^ω^)「僕は・・・・・・生きたい!虐めなんかには負けたくないんだお!!」
( ・∀・) 「ならばなぜそれを実行しない?虐められてから一年は経つ。解決方法を考える時間は十分に与えられているはずだ」
いつのまにか後ろには柵があった。
僕の腰くらいの高さのその柵は警告していた。
それ以上後ろにいくと落ちてしまう・・・・・死んでしまうぞと。
161 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 13:21:39.37
ID:WJWy5WeR0
- ( ・∀・) 「しょうがない奴だなぁ君は。どれ、僕がその手助けをしてやろう」
モララー君は優しく・・・・だけど強く僕の胸を押す。
(;^ω^)「・・・・・・・え?」
身に襲いかかる風圧。
落ちている真っ最中であった。
(;^ω^)「・・・・・死にたく・・・・・死にたくないお!!!!!」
意識はそこで途絶えた。
・・・・・・
・・・・
・・
・
162 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 13:25:18.09 ID:WJWy5WeR0
- ( ゚ω゚)「モララー。僕は・・・・君を殺す」
全てを押さえ込もうとする声。
( ・∀・) 「やってみな。全てに負けた君にそれができるか謎だけどね」
そして威圧する声。
( ゚ω゚)「相変わらず口だけは達者だお」
ブーンは、手の平をかざす。
ξ;゚听)ξ「ブーン!!!やめてぇッ!!!」
振り向いたブーンの肩に、ゆっくりとメスが突き刺さった。
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