■第十話:芸者


(。・д・)(どこだここ・・・)

(。・д・)は天井から見下ろすような感じで、畳の敷かれた狭い部屋を漂っていた。
部屋の中央には布団が敷かれ、その横に汚い座卓が置いてある。

川 ゚ -゚)「あらいらっしゃい」

綺麗な着物に身を包み、顔を白く塗った女性が部屋の中央に座って入ってきた男を見て言った。

(。・д・)(どうなってんだこりゃ、あたしゃ寝ちまったのか?)



男はメガネをかけた優しそうな男だった。

ヾ(●ω●)ノ”「こんパンダ!今日も来たよん、くーちゃん♪」

川 ゚ -゚)「ありがとう、パンダちゃん」

ヾ(●ω●)ノ”「くーちゃんのタメだもん♪さ、じゃんじゃんお酒運ばせてよw」

川 ゚ -゚)「そうね」

そう言って川 ゚ -゚)は男を案内して来た女に手を振った。
女は頷いて襖を閉めると階段をおりていった。

ヾ(●ω●)ノ”「それにしてもくーちゃんはいつ来ても綺麗だね♪」

ヾ(●ω●)ノ”はそう言って川 ゚ -゚)に寄りかかった。
肩に回した手が川 ゚ -゚)の胸元をまさぐっている。



(。・д・)(顔のとおり変態だな、あのメガネ。それにしてもここはどこだ?時代が・・・違うみてーだけど)

川 ゚ -゚)が身をよじり、ヾ(●ω●)ノ”の手をさりげなく着物の外へ押し出した。

川 ゚ -゚)「まだ早いでしょ?お酒を飲んでから・・・ね?」

ヾ(●ω●)ノ”は熱に浮かされたように何度も頷いている。
階段をおりていった女が酒を持って戻ってきた。

川 ゚ -゚)「ほら、お酒が来たわよ。飲んで飲んで」

ヾ(●ω●)ノ”「よーし、今日もいっぱい飲むぞー♪」

川 ゚ -゚)「しゃべる暇あったら飲みなさいよw」



(*゚ー゚)「ピアスさん?ピアスさん?」

ξ(゚、゚ξ「どうしたのかしら」

( ^ω^)「解らないお・・・」

ξ゚听)ξ「白豚、あんたが担いで行きなさいよ」

(;^ω^)「ちょwwww」

(*^ω^)(でもおっぱいの感触が味わえるおwww)

( ^ω^)が(。・д・)を背中に担いだ。

( ^ω^)「おっ?」

(*゚ー゚)「んー?どうかした?」

(;^ω^)「いや・・・なんか一瞬体が痺れた気がするお」

ξ゚听)ξ「ちょっと!変なこと考えないでよね?」

(;^ω^)「ゴメンだお」



川 ゚ -゚)が体中を縄で縛られ、布団の上に寝転ばされている。

ヾ(●ω●)ノ”の気持ち悪い顔が見えたので、目を瞑った。
だが荒い息が耳に障る。

ヾ(●ω●)ノ”は変態だった。
女性に相手にされなかった事がトラウマとなり、身動き出来なくさせてから女性をいたぶった。

縄で縛り、酷いときには天井から吊るして犯した。
気持ち悪い笑みを浮かべながら、腰を振った。

ヾ(●ω●)ノ”「ふー。ふー。えへへ、くーちゃん気持ち良いだろう?」

涎が垂れて川 ゚ -゚)の胸元を濡らした。

ヾ(●ω●)ノ”「白い肌に縄が食い込んでいるよ♪堪らないだろう?ふふふ」

胸を締め付ける縄が苦しい。川 ゚ -゚)の顔が自然と赤く染まる。
それを見てヾ(●ω●)ノ”は恍惚の笑みを浮かべた。



ヾ(●ω●)ノ”「あぁ!あぁ!最高だよくーちゃん!はぁはぁ・・・出すよ!中に出すよ?!」

川 ゚ -゚)(これも金のためだ。金のため・・・金のため・・・)

ヾ(●ω●)ノ”の腰が川 ゚ -゚)の尻に当たり、卑猥な音を立てる。
ヾ(●ω●)ノ”の動きが早くなっていく。

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン

川 ゚ -゚)(く・・・相変わらずきついな)

ヾ(●ω●)ノ”「おほっ!」



男性が射精をするとき、体には大きな負担がかかっている。
体中から汗が噴出し、脈が乱れ、心臓はその鼓動を速める。

稀に、非常に稀にだが、射精時に死亡する男もいると言う。

ヾ(●ω●)ノ”の体から精液が外に飛び出そうと蠢いていた。
大量の汗を流し、血圧が上昇。心臓がドラム缶を叩くかのように大きな音を立てて止まった。

精液を川 ゚ -゚)の体内に流し込みながらヾ(●ω●)ノ”が倒れこんだ。

川 ゚ -゚)「くっ!」

精液が胎内に流れ込む違和感と、太っているヾ(●ω●)ノ”の全体重が川 ゚ -゚)を襲う。

川 ゚ -゚)「おい、終わったのならどけ」

ヾ(●ω●)ノ”は死んだように川 ゚ -゚)の体の上に乗っている。

川 ゚ -゚)「?呼吸が・・・」

呼吸が止まっていた。



(。・д・)「ん・・・」

( ^ω^)「おっおっ目を覚ましたかお?」

(*゚ー゚)「ピアスさんだいじょうぶ?」

(。・д・)「お、おー。寝不足だからかな、変な夢を見ちまった。白豚、下ろしてくれ」

( ^ω^)がしゃがみ、(。・д・)が滑るように地面に足をつけた。

(。・д・)「あー。肩凝っちまったな・・・お?洋館の前じゃん」

ξ゚听)ξ「森の中だと蛇に襲われたときに気づきにくいからね、戻ることにしたのよ」

(。・д・)「あぁなるほどね」



('A`)「うお!また蛇が這ってら」

('A`)は気がついたら書斎にいた。
頭が働かず、しばらく本に埋もれてゴロゴロしていたが、トイレに行きたくなり、書斎から出た。

するといきなり蛇が降ってきた。('A`)は腕を噛まれたが、毒のない蛇なので止血だけですんだ。
噛んだ蛇は足で潰した。びっくりして少し漏らしたが、少しだからだいじょぶだと思った。

('A`)「全く、ここの住人は蛇が好きらしいな・・・」

とりあえず蛇に向かって本を投げてみる。
頭には落ちなかったが、胴体の真ん中当たりに当たり、血が噴きだした。

('A`)「俺って天才w」

近づいて頭を踏みつけると、トイレを探して廊下を歩き出した。



ξ゚听)ξ「庭にいた蛇が消えたみたいね」

(*゚ー゚)「貞子さんもいないし、ボク一人じゃ厳しいからね。いない方がいいよ」

(。・д・)「わかんねーぞ?隠れてるかもしんないし」

( ^ω^)「・・・・・・」

(。・д・)「そうだ白豚、お前が先に行けよ」

(;^ω^)「お?」

(。・д・)「試しに行ってみろって言ってんだよ」

(;^ω^)「俺がかお?」

ξ゚听)ξ「私たちはか弱い女性なのよ?男なんだから良いとこ見せなさいよ!」

(*゚ー゚)「だいじょぶだよー見える範囲には居そうもないからw」

(;^ω^)「簡単に言うお・・・まぁ仕方ないかお」



( ^ω^)がそっと庭に足を踏み入れる。はじめはゆっくりと、次第に駆け足になり、洋館の玄関まで辿り着いた。

(;^ω^)「あうあう、セーフだお!」

( ^ω^)が後ろを向くと、黒い塊がゆっくりと下降してくるのが見えた。

(。・д・)「うへぇ、あれ蛇の塊じゃねーの?」

(*゚ー゚)「どうしよ、まだ走れば間に合うかな?」

ξ゚听)ξ「止めたほうが良さそうよ。前のときも、近づかなければ出てこなかったしね」



( ^ω^)「来ないのかおー?」

ξ゚听)ξ「近づいたら出てくるかもしれないでしょ?」

(。・д・)「だから洋館の裏手にまわることにした。お前は先に入ってろ」

(;^ω^)「ちょwww一人は寂しいお!」

(*゚ー゚)「だいじょぶだよー斧持ってるじゃない」

( ^ω^)はやれやれと首を振り、洋館の中へ入っていった。



( ^ω^)(相変わらず不気味なとこだお・・・お?)

( ^ω^)が奥に進むと、啜り泣きが聞こえてきた。直に頭の中で響いているような、妙な嫌悪感を感じる泣き声。

(;^ω^)「あうあう、オバケの登場かお・・・」

そう言った( ^ω^)の頭上から、シャンデリアが落ちてきた。

( ^ω^)「おっおっ!全力回避だお!」

⊂二( ゚ω゚)⊃「ふおおおおおお」



一気に階段の前まで走る。( ^ω^)は今流行の身軽なデブだった。

危機一髪。シャンデリアが音を立てて床に落下した。

( ^ω^)「あうあう・・・全く、オバケがやったんだか洋館が古いんだか解らな・・・お?」

白い着物がシャンデリアを乗り越えて滑るように近づいてきた。窓から差し込む月の光が女性の顔を照らし出す。

|||-_|||「うううううううううううう」


地鳴りのような声を響かせながら現れた白い着物の女性・・・それは紛れもなく死んだはずの|||-_|||だった。

 




■第十一話:最後のピース


あれから川 ゚ -゚)は気を失った。胸の圧迫に激しい運動、それに加えてヾ(●ω●)ノ”の圧力。

しばらくはヾ(●ω●)ノ”をどかそうとモゾモゾしていたが、知らぬ間に気が抜けたらしい。

気がついたら見知らぬ森の木の枝に引っかかっていた。

川 ゚ -゚)「なんであたしはこんなところに居るんだ?」



ピースが揃った。これで俺の復讐劇がクライマックスを迎えたことになる。
だがまだ痒みがおさまらん。ダメだ。やはり殺すしかない。

なにを言ってるんだ。殺すために俺たちは集まったんじゃないのか?

そうよ。何のためにあの子達をこんな寂れた場所におびき寄せたと思ってるのよ。

落ち着け。貴様らの声を聞くだけで俺の体が疼く。痒い。あぁ痒すぎる。



(;^ω^)「さ、貞子?しししし死んだはずじゃ?」

|||-_|||「う・・・う・・・う・・・う」

|||-_|||の頭がカクンカクンと不規則に揺れはじめた。
両手を前に突き出し、滑るように近づいてくる。

(;^ω^)「違うお。お前は貞子じゃないお!」

( ^ω^)の体を電気が流れる。足の裏から股関節を通り、背骨を上って脳みそを痙攣させる。

(;^ω^)「あうあう!なんだお!頭が割れそうだお!!」



( ^ω^)には小さいころの記憶がない。

知らないうちに韮崎の実家に住んでいて、知らないうちに両親が居た。

「小さいころを思い出すと頭が痛くなるんだ」

知らぬ母は笑ってこう言った。

「ぶーんはまだ小さいでしょw急にどうしちゃったのよww」

違う。僕の家はここじゃない。違う。僕の母はあんたじゃない。

「ここはどこ?僕はだぁれ?」

夜中に目覚めたときは、よくこうやって口ずさみながら眉間を揉んだ。
しばらくそうしていると、古い映画のようにノイズがかった映像が頭に浮かんでくる。

薄汚れた病院の診察室。古びたビル。巨大な機械。布団の敷かれた畳の部屋。真っ黒な穴。

映像は不鮮明ながら、確実に頭の中で再生される。繰り返し、繰り返し。



ある日、部屋の中におじいさんが立っていたことがある。
いつの間に現れたのか解らない。もしかしたら最初から居たのかもしれない。

背中に電気が流れ、体が痙攣を起こした。心臓が早鐘のように鳴り、頭に映像が流れる。

僕は自然に、ごく自然に両手をおじいさんに向けた。

おじいさんが笑う。黄色い入れ歯が見えた。おじいさんの体が揺れる。霞がかかったようにブレる。
いや、揺れているのは僕のほうだろうか。何も考えられない。揺れる。揺れながら頭に黒い穴が浮かんだ。

僕は誰だ?誰だ?揺れている?僕が揺れている?
揺れているのはおじいさんのほうか?違う。僕が揺れている。
いつまでもいつまでも映像が流れる。見える。はっきりと見える。

僕は僕じゃない!

そう叫んだとき、おじいさんの揺れが止まった。

ありがとよ。

おじいさんはそう呟くと、霧のように消えた。



( ^ω^)は今で言う霊能力者だろうか。小さい頃の( ^ω^)には不思議な力があった。
貞子の霊が現れ、小さい頃の記憶と力を思い出したのか、体の底から力が沸いてくる。

( ^ω^)の体から痛みが消えた。

簡単なことじゃないか。

そう呟いて右手を貞子に向かって突き出した。

|||-_|||の動きが止まる。前に突き出された|||-_|||の両手が痙攣はじめた。
痙攣が徐々に体全体に伝わっていく。

( ^ω^)「霊能力者の俺に霊が敵うと思っているのかお?」

パン!



パン!

('A`)「うぉ!なんだ?!」

階下から銃声のようなものが聞こえた。少し前には大きな物が落ちる音も聞こえた。

('A`)「どうなってんだここは・・・」

恐る恐る螺旋階段から下を覗くと、白い豚が見えた。

('A`)「いやいや、あれは生物学的には霊長類だな」



(;^ω^)「はぁはぁはぁはぁ・・・」

|||-_|||が大きな音を立てて消えた。頭痛が治まり、電流も知らないうちに消えていた。

だが( ^ω^)の感覚は前とは比べ物にならないくらい上がっていた。

上から視線を感じる。( ^ω^)が顔を上げると、とぼけた顔が見えた。
およそ人間には見えなかった。



(。・д・)「ツン!もっと早く走れねーのか??!」

ξ゚听)ξ「っぜ、ぜぇ、走ってる、ぅわ・・・よ!」

森の中を通って洋館の裏手にまわろうと三人が歩き出した途端、ズリズリと言う音が聞こえてきた。

(。・д・)「何の音だ?誰かが死体でも引きずってんのか?」

ξ゚听)ξ「ちょっと、やめてよ・・・蛇以外に変質者がいるなん・・・」

ξ゚听)ξが言葉を飲み込んだ。

(*゚ー゚)「うわぁ・・・」

木の間からぬるっと突き出された物体。それは紛れもなく白い蛇の頭だった。

口から舌をチロチロさせ、醜悪な目が・・・三人を見て笑った。



(*゚ー゚)「急いで!」

三人はとりあえず庭の入り口まで戻り、そこから大蛇の出た方向と反対に向かって走り出した。

(。・д・)「ちくしょう、これじゃ蛇とグラウンドを一周してるみてーじゃねーか!」

洋館と庭の周りを大蛇に追われながら、文字通り走り回る。

(*゚ー゚)「うっ!止まって!!」

先頭を走っていた(*゚ー゚)が急に大声を上げて立ち止まった。

ξ゚听)ξ「どうしたの?」

(*゚ー゚)「いや・・・ボクの勘違いならいいんだけど・・・」

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

(。・д・)「・・・・・・」

目の前にトグロを巻いて鎌首をもたげているもの。それはまさしく赤い大蛇だった。



赤い蛇がトグロをほどいて首を持ち上げた。さながら小さいビルのようだ。

ズル・・・ズル・・・しゅー・・・しゅー

白い蛇が追いついたようだ。

(*゚ー゚)「うわぁ!どうしようー?」

(*゚ー゚)が叫んだとき、木の上から枝が落ちてきた。
枝が赤い蛇にぶつかって蛇の動きが止まる・・・(*゚ー゚)はその隙を見逃さずに両手で切りまくった。

しゅーしゅー

蛇の呼吸音と女性の悲鳴が重なった。
(*゚ー゚)が振り向くと、白い蛇が体を伸ばし、木に頭を突っ込んでいる。

チャンスとばかりに(*゚ー゚)が蛇の体を真っ二つに斬り裂いた。
胴体が先に地面に落ち、続いて頭が落ちてきた。

ξ゚听)ξ「きゃぁぁぁぁぁ!」

蛇の口元から女性の足が見えた。



('A`)(こいつやべぇ・・・)

( ^ω^)が廊下にしゃがんでなにかしている。
くちゃくちゃくちゃくちゃ・・・。

( ^ω^)「お前ドクオつったっけ?」

('A`)「あぁ、そうだけど」

( ^ω^)「じゃドクオ、お前も食えよwwwマジうめーぞwwwww」

( ^ω^)はそう言って、口から垂れていた蛇を吐き出し('A`)に差し出す。

('A`)「い、いや、俺、腹減ってないから・・・」

( ^ω^)「へー。変なやつだな。こんなにウメーのにwww」

クチュクチュ・・・クチュクチュクチュクチュ・・・



(*゚ー゚)が蛇の口をあけ、(。・д・)とξ゚听)ξが片足ずつ持って引っぱる。

白い肌が牙に裂かれて血が流れる。

(。・д・)「え・・・この人・・・」

(。・д・)の目が見開かれる。

(*゚ー゚)「ん?どうしたの?」

(。・д・)「い、いや、さっき寝た時さ、この人が夢に出てきたんだよ。芸者っぽくてさ」

(*゚ー゚)「え?ピアスさんも見たの?」

(。・д・)「・・・しぃも?」



(*゚ー゚)「うん。ボクも見た。ボクは夢じゃなくて、幻覚みたいな感じ。貞子さんを見た」

ξ゚听)ξ「わ、私も!私も、とぼけた顔の医者を見たわ」

(。・д・)「・・・・・・どういうことだ?」

川 ゚ -゚)「う・・ぁ・・・ぁ」

川 ゚ -゚)が苦しそうに身をよじった。

(。・д・)「お、おい。大丈夫かよ!」

川 ゚ -゚)が空をつかむように右手を持ち上げた。

(。・д・)がその手を握る。



川 ゚ -゚)「あ・・・ぁ・・・あり・・・が・・・」

川 ゚ -゚)の体が光り出した。体が金色に変わり、細かい粒子に変わる。

ξ゚听)ξ「ちょっと・・・これって・・・」

(*゚ー゚)「貞子さんの時と同じ・・・」

粒子が(。・д・)の体に流れ込んだ。

(*゚ー゚)「ピアスさんの先祖がこの人ってこと?」

(。・д・)「わかんね。けど、なんか妙に切ない」


気丈な(。・д・)さんの目に涙がたまっていた。



三人は洋館に戻った。空が明るくなってきた。
(*゚ー゚)は先ほどから膝をすり合わせている。スカートでは寒いのだろう。

(*゚ー゚)「あれ?」

(*゚ー゚)が指した方向を見ると、シャンデリアが落下して破片が回りに散らばっていた。

ξ゚听)ξ「なにかあったのかしら?」

その時、二階から男の悲鳴が聞こえてきた。

(。・д・)「なんだ?!」

(*゚ー゚)「解らないけど・・・行ってみよう」

そういうが早いか、(*゚ー゚)が階段を駆け上っていく。

(。・д・)とξ゚听)ξも続いた。

(*゚ー゚)「?????!!!!」



男が倒れている。倒れた男を胸に抱いている男がいる。

くちゅくちゅくちゅ・・・

男が振り返った。

ξ゚听)ξ「白豚?!」

男は、口から血を垂らし、目が異常な色で輝いている( ^ω^)だった。

( ^ω^)「やぁ、三人組さん。よく生き残っていてくれたね」

(。・д・)「な、何をしてんだお前・・・」

( ^ω^)が口を歪めた。笑っているのだろうか?真っ暗な穴ぼこのような口からにちゃにちゃ音が漏れる。
三人の体が、電気が流れたようにビクンとはねた。



( ^ω^)「なに?食事に決まっているだろうwwww人は食事をするものだwww」

(。・д・)「馬鹿か!正常な人間は共食いなんかしねーもんだろ!」

ヾ(●ω●)ノ”「おやおや♪くーさんとは随分性格が違うねw」

(。・д・)「あ?くー?って・・・」

夢に出てきた女。あたしの体に入ってきた女。

(。・д・)「てめぇ!あの変態ヤロウか!」

ヾ(●ω●)ノ”「てめぇ?生意気な口を利くなよ♪こっちは穏便に話してやってるんだからさw」

(。・д・)「ふざけんな!てめぇの異常な性癖のせいでこっちまで死にそうだったんだぞ?」

(*゚ー゚)「ピアスさん、なにを言ってるの?」

(。・д・)「あぁ?こいつが夢に出てきた変態なんだよ・・・あれ?」

( ^ω^)「・・・・・・」

(。・д・)「あれ?確かにいまこいつ・・・」



ξ゚听)ξ「あれ?その人!」

ξ゚听)ξが突然大声を上げ、倒れている男を指差した。

( ^ω^)「あぁ、そうだね。君がこいつと同化しなければ俺たちの復讐は終わらない」

ξ゚听)ξ「え?」

('、`川「とっととこいつの腕を握れつってんだよ!」

('、`川が('A`)の手を握り、ξ゚听)ξに向かって放り投げた。

ξ゚听)ξ「きゃ!」

('A`)がξ゚听)ξにぶつかり、二人が倒れた。
そしてあっという間に光の粒子がξ゚听)ξの体内に入ってきた。

( ^ω^)「これでよし・・・と。さて・・・」



( ^ω^)が満足そうに頷いた後、突然(*゚ー゚)の方を向いた。

(*゚ー゚)「え?」

( ゚д゚ )「久しぶりだな、貞子」

(*゚ー゚)「え?え?」

( ゚д゚ )「忘れてしまったのか?貞子・・・」

|||-_|||「お・・・とうさん・・・」

( ゚д゚ )「私が間違っていたよ貞子。さぁ、お父さんを許してくれるかい?」

( ゚д゚ )が手を広げた。|||-_|||はフラフラとした足取りで( ゚д゚ )に歩いていく。



ξ゚听)ξ「ちょっとしぃちゃん!どこに行くの?」

(*゚ー゚)「え?あ・・・」

( ^ω^)「近づいた瞬間に刺してやろうと思ったんだがwwwwまぁいい」

( ^ω^)の体が痙攣しはじめた。

( ^ω^)「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

一瞬廊下が光につつまれた。

そして・・・。

 




■第十二話:白豚の過去。


( ゚д゚ )「ふぅ、やっと分離できたな」

('、`川「全く、あんた達との共同生活は二度とごめんだね」

ヾ(●ω●)ノ”「綺麗な女性との同棲なら、こちらからお願いしたいところだね♪」

('、`川「うっせーよ不細工。あたしはドクオ以外は好みじゃないよ」

( ゚д゚ )「喧嘩をするなら外でやってくれ。私は貞子に用がある」

('、`川「けっ。痒い痒いって一番うるさかったやつがよく言うよ」



ξ゚听)ξ「あの女の人・・・私の先祖にフラれた人だ」

(*゚ー゚)「あのこっち見てる人は貞子さんのお父さん」

(。・д・)「んで残った変態顔があたしの先祖を犯したやつか・・・」

( ゚д゚ )「ここは狭いな・・・貞子、いや、今はしぃか。庭で戦おう」

( ゚д゚ )が窓ガラスを割り、庭に飛び降りた。

(*゚ー゚)「・・・・・・」

(。・д・)「どうしたよ?しぃ」

(*゚ー゚)「ううん、ちょっと行ってくるね」

(*゚ー゚)も庭に飛び降りた。



('、`川「あたしは、そこのお嬢さんに話しがあるね」

そういった瞬間、ξ゚听)ξの体が吹っ飛んで壁に激突した。

ξ゚听)ξ「きゃ!いきなりなにするのよ!」

('、`川「うるさいね、さっさと死にな。
    あたしゃドクオを殺すまでは死んでも死に切れないんだ!」

ξ゚听)ξ「はい?それって・・・逆恨みじゃない!」

('、`川「うるさいね!あたしを裏切った男は許さないんだよ!ほらっ!」

('、`川の手から風が起こり、窓ガラスを破壊した。
ガラスをまとった風がξ゚听)ξを襲う。

ξ゚听)ξ「やー!」

ξ゚听)ξの体をガラスが切り刻んだ。



ヾ(●ω●)ノ”「相変わらず乱暴な女だね♪」

ヾ(●ω●)ノ”が(。・д・)を見て微笑む。

ヾ(●ω●)ノ”「僕は女性には優しいからね♪安心していいよー」

(。・д・)「はぁ?なに言ってんだキモオヤジ!くーにしたこと憶えてねーのか!」

ヾ(●ω●)ノ”「はぁ?くーちゃんはとっても喜んでいたじゃないかw君も見ただろw」

(。・д・)がヾ(●ω●)ノ”の頬を思いっきり殴った。

ヾ(●ω●)ノ”「いてっ!」

(。・д・)「はぁはぁ。お前だけはゆるさねーぞ」

ヾ(●ω●)ノ”「くーちゃんと違って乱暴な女だな。おしおきが必要だね・・・」



( ゚д゚ )「ふむ・・・」

( ゚д゚ )が(*゚ー゚)の両手に握られた刀を見つめてため息をついた。

( ゚д゚ )「あの刀が二振りか・・・貞子が持ってきたんだな」

(*゚ー゚)「そうだよ」

( ゚д゚ )「ふむ・・・だが負担も二倍と言うことだ。貞子ならともかく、君に二振りはきつくないかね?」

(*゚ー゚)「だいじょぶ。ボクの中には貞子さんがいるもん」

( ゚д゚ )「そうか、なら私も手加減はしないぞ」

( ゚д゚ )が手をかざし、氷の結晶を出現させた。



( ゚д゚ )「お前に人を見つめるだけで殺せる力はないだろう」

そう言うと、高速で氷が飛んできた。
(*゚ー゚)の右手の刀が反応し、氷を叩き落す。

( ゚д゚ )「ふむ」

( ゚д゚ )が六人に分裂した。幻覚で見たとおり、そのどれもが( ゚д゚ )だ。

(*゚ー゚)は( ゚д゚ )に向かって駆け出した。



ξ゚听)ξ「あれ?傷が自然に治っていく・・・それに・・・全然痛くない」

ξ゚听)ξの体に出来た無数の裂傷が今はもう影も形もなくなっている。
頭の中で声が聞こえた。

('A`)「俺は医者だからな。どうやらこっちに飛ばされたときに、変な力がついたようだ」

ξ゚听)ξ「どういうこと?」

('A`)「体の自然治癒能力を高めてみた。ついでに脳内麻薬も出てるから痛みを感じないだろ?」

ξ゚听)ξ「うん」

('、`川「誰と喋ってるんだい?えぇ?独り言なんて気持ちの悪いガキだね!」

('、`川が風をξ゚听)ξにぶつけた。
廊下を滑るようにして転がっていたξ゚听)ξがすぐ起き上がったので、('、`川は驚いたようだ。

('、`川「そうかい、ドクオだね。死んでからもあたしの邪魔をするなんて!」

('、`川が風を足元に集めて飛んできた。ξ゚听)ξはしゃがんでかわすと、落ちていた斧を拾った。
( ^ω^)がずっと持っていたものだ。



ヾ(●ω●)ノ”「おしおきが必要だね・・・」

川 ゚ -゚)「ふざけないで」

(。・д・)「あ?くーか?」

川 ゚ -゚)「死んでまでアイツの思い通りになるのなんて嫌」

(。・д・)「気持ちは解るぜ。痛いほどな」

ヾ(●ω●)ノ”「お前誰と喋ってるんだ?くーか?」

(。・д・)「安心しな。あたしがあんたの分まで殴っといてやるよ」

そう言うと、(。・д・)が再びヾ(●ω●)ノ”に殴りかかった。



ヾ(●ω●)ノ”(バカだなぁ♪)

ヾ(●ω●)ノ”が空中で腕を振ると、縄が出現した。縄はまるで蛇のように空中を這いながら(。・д・)に巻きついた。

(。・д・)「くそっ!なんだこりゃ!」

(。・д・)が体中を縄に締め付けられ、床に倒れる。

ヾ(●ω●)ノ”「おしおきタイムだよw」



(*゚ー゚)が氷を斬り裂きながら( ゚д゚ )に向かって走る。

( ゚д゚ )「私が遠距離でしか戦えないと思ったら間違いだよ」

( ゚д゚ )が手のひらに炎を出した。炎は意思を持っているかのように鋭く尖り、刀になった。

( ゚д゚ )「接近戦なら君の方に分があると思うがね、六対一ではどうかな?」

( ゚д゚ )が斬りかかって来たのを防ぎ、左の( ゚д゚ )を炎の刀ごと斬り裂く。

( ゚д゚ )「まだまだ!」

( ゚д゚ )の上段袈裟斬りを左手の刀が受け止め、そのまま返す刀で首を刎ねた。
左腕の筋肉がギシギシと音を立てる。

(*゚ー゚)「くっ!」

だが刀は(*゚ー゚)の体などどうなっても構わない様子で、その動きはますます加速した。

( ゚д゚ )「ほう、ここまでやるとは・・・」

(*゚ー゚)が周りを見渡すと、( ゚д゚ )の姿があと一体になっていた。



( ゚д゚ )「君は貞子に負けず劣らずの才能を持っているね」

肩で息をしている(*゚ー゚)を見つめて( ゚д゚ )が呟いた。

(*゚ー゚)「ぜぇぜぇ、それは・・・どうも・・・」

( ゚д゚ )「ふっ」

( ゚д゚ )から笑みが漏れた。

( ゚д゚ )「苦しそうな顔は貞子にそっくりだな。そろそろ出てきたらどうだ?」

(*゚ー゚)「?」

(*゚ー゚)の背中に電気が流れた。

(*゚ー゚)「イタッ!」

|||-_|||(ちょっと体を借りるわね)



|||-_|||「お久しぶり・・・と言えばいいかしら?」

( ゚д゚ )「ふん。あの日のまま・・・私を殺したときと全く同じままだな」

|||-_|||「それはそうよ。あなたを殺してすぐにこちらに飛ばされたんだもの。
    最初は訳が解らなかったけど・・・あなたが呼んだのね?」


( ゚д゚ )「そうだ。私はあの後、霊魂になってこの世とあの世を彷徨っていた。
     するとあるとき急に強い声に呼ばれてな、荒波に削られた崖の上まで飛んで行った」

|||-_|||「それで・・・」

( ゚д゚ )「それであの髪の長い女に会ったのだ」

|||-_|||「しぃちゃんの中から見てたわ。あのドクオとか言う男に恨みを持つ女ね」

( ゚д゚ )「そうだ。名前は・・・関係ないな。とにかくその女と私は成仏出来ないもの同士、結託することにした」



( ゚д゚ )「私を呼んだのはお前か?」

('、`川「誰よあんた?私が呼んでいたのはドクオよ」

( ゚д゚ )「・・・・・・」

('、`川「あはは。もう死んじゃったけどねw」

( ゚д゚ )と('、`川は大事な人に共通の感情を持っていた。恨みという名の強い感情を。


( ゚д゚ )「しばらく話していると、一人の子供が崖に向かって歩いてきた」

|||-_|||「子供?」

( ゚д゚ )「しぃやツンという女が白豚と呼んでいた奴だ」

|||-_|||「え?彼もこの時代の人間じゃないの?」



|||-_|||の頭にいる(*゚ー゚)も驚いているようだ。

(*゚ー゚)「内藤君が人間じゃなかったなんて・・・」

( ゚д゚ )「いや、彼は人間さ。しぃと同じな」

( ゚д゚ )がしぃに向かって答えた。

( ゚д゚ )「その子供・・・白豚でいいか。白豚は強い力を持っていた。少々不安定だがな」

|||-_|||「それであなた達はどうしたの?」

( ゚д゚ )「ふん、もう解っているんだろう?私たちは白豚の心に入り込んだ。
     強い力と不安定な心を持っていた白豚の体は、私たちにとって絶好の獲物だった」

|||-_|||「・・・それで?」

( ゚д゚ )「私たちは不安定だった。二人では白豚の肉体を完全に支配出来なかった
     新たな仲間が必要だった。この世に未練があり、成仏の出来ない霊魂を探した」



|||-_|||「それが・・・あの変な男ね」

( ゚д゚ )「彼は今で言う風俗嬢に恋をしていた。そしてその女の上で死んだそうだ。セクロスの最中にな」

|||-_|||「つまりあなた達は最低の人間と言うことね」

急に( ゚д゚ )が笑い出した。文字通りこの世の者とは思えない笑い。

(*゚ー゚)「おかしくなった?!」

( ゚д゚ )「私は正常だよ」

笑い出す前と同じように突然真顔になった( ゚д゚ )が言った。

|||-_|||「それでどうしたの?」



( ゚д゚ )「お前と同じだ。黒い穴に入り、この時代に飛んだ。白豚は普通の人間に拾われて、今まで育った」

|||-_|||「でも、どうして初めから殺さなかったの?
    私たちが現れる前だったら、しぃちゃん達を殺すのは簡単だったはず」

( ゚д゚ )「白豚の力は私達以上だったのだ。私達が三人集まっても、彼を完全に操ることは出来なかった」

空が赤く染まっていた。朝焼け。2chネラーには馴染み深い景色だろう。
田舎の朝焼けは綺麗だ。だが綺麗な反面、酷く恐怖を感じる。

( ゚д゚ )「私達が白豚から離れる為には、より強い怨念が必要だと思った。
     それでお前達、貞子、ドクオ、くーをこの世界に呼び出したのだ」

|||-_|||「ちょっと待って!呼び出したって・・・あの黒い穴は偶然じゃないの?」

( ゚д゚ )「ははは。違うよ。あれは白豚の力だ。私が氷と炎を作り出すように、白豚は穴を作り出せた。
     それで過去に干渉し、お前達を呼んだ。まだ質問はあるかな?」

|||-_|||「ないわ。はやく死んでちょうだい」

|||-_|||が( ゚д゚ )を見つめた。

( ゚д゚ )「こっちみんな!」



|||-_|||「・・・お前が見るなよボケ。さっさと死ね」

|||-_|||の目から出た強い力が( ゚д゚ )に向かって飛んだ。

( ゚д゚ )「何かしたかね?」

|||-_|||「なっ!」

( ゚д゚ )「貞子・・・お前の力は強い怨念がなければ使えない。
     強い怨念に精神が破壊され、心が完全に壊れてしまう程の感情が必要だ」

|||-_|||「正常な私では呪いは使えないってことね・・・」

( ゚д゚ )「さて、戦いを続けよう。まさしく血を血で洗う死闘の始まりだ」

( ゚д゚ )が両手を天に掲げると、黒い玉が出現した。黒い玉は少しずつ下降してきた。

 





■第十三話:身代わり


ξ゚听)ξ「いたっ!いたっ!」

ドスンドスンと大きな音を立てて、ξ゚听)ξが螺旋階段を落ちていった。

ξ゚听)ξ「いたたたた・・・痛いものは痛いのね・・・」

('A`)「当然だ。脳内麻薬はエンドルフィンと呼ばれるモルヒネみたいなもんだからな」

ξ゚听)ξ「なによそれ・・・」

('A`)「脳内で機能する神経伝達物質の一つである「エンドルフィン」は「内在性オピオイド」であり
   「モルヒネ」みたいな作用を及ぼす。
   まぁマラソンとかしてて長時間走り続けると、気分が高揚してくることってあるだろ?
   一般的に言うところの「ランナーズハイ」って奴だけど、とにかく気持ちよくなったりするんだよ。分泌されるとよ」

ξ゚听)ξ「三行でまとめなさいよ!」

('A`)「・・・ウィキペディアに言ってくれ。そっからパクってきたんだから」



('、`川「ずいぶん仲が良いようだねぇ!えぇ?!まだ痛みが足りないってのかい?」

('、`川が階段を下りながら怒鳴っている。いまだにドクオを愛しているのだろうか。

ξ゚听)ξ「あんなのとどうやって戦えば良いってのよ?」

('A`)「しらねーけど、俺はもうあいつにゃコリゴリしてんだ。
   痛みは俺が引き受けてやるからよ、気にせず突っ込んでって斧を脳天にぶち込んできてくれよ」

ξ゚听)ξ「簡単に言うけどね、あの風がやっかいなのよ!うまく近づけないわ」

('A`)「それこそしらねーよ。だけど、あいつを殺さなきゃこっちがやられるんだぜ?
   俺の力だって無限ってわけじゃねーんだから」

ξ゚听)ξ「おっけー。やってみる」

('A`)「ちっ、なんかお前って俺の奥さんに似てるよ」

ξ゚听)ξ「気持ち悪いこと言わないで。あなたと結婚するなんて考えたくもない」

('A`)「・・・・・・」



ヾ(●ω●)ノ”「うひひひ!いい格好だねwwそうしてると僕のナニがおっきおっきしちゃうよwwwww」

(。・д・)(ちょっと・・・洒落にならないんだけど)

川 ゚ -゚)「あんなやつに、あなたを汚させたりしないわ。絶対にね」

(。・д・)(んなこと言ったってよ・・・なんか策でもあんの?)

川 ゚ -゚)「私の能力は体温上昇。
     今思えば、あの変態に犯されてたときも自然と体温が上がってたみたいなの」

(。・д・)(それでアイツが心臓発作を起こしたと・・・了解。とりあえずどれくらい体温を上げられるの?)

川 ゚ -゚)「あの時はそれほどでもなかったけど、今なら人間が溶けるかもね」

(。・д・)(じゃ、ちゃちゃっとこの縄を溶かしてくれない?)

川 ゚ -゚)「私に考えがあるの。ちょっと我慢してね」

ヾ(●ω●)ノ”「うふふ♪くーちゃんの体とどっちが気持ち良いのかな?うひひひひ」



(。・д・)(ちょっと!マジでやばいってば!!)

川 ゚ -゚)「いま力を溜めてるから、ちょっと黙っててね」

(。・д・)「ちくしょう!てめぇあたしに触ったら殺すからな!」

ヾ(●ω●)ノ”「もう、そうやって本音と逆のことを言うのもそっくりだね♪」

(。・д・)「はぁ?なに言ってんだお前?!」

ヾ(●ω●)ノ”「女は黙って犯されてりゃいいんだよ!」

ヾ(●ω●)ノ”の表情が豹変した。
目が釣りあがり、口をへの字に歪ませている。

ヾ(●ω●)ノ”「おら!気持ちよくさせてやるからよ!」

そう言って(。・д・)を抱き上げたヾ(●ω●)ノ”が絶叫した。



ヾ(●ω●)ノ”「ぎゃぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!!!!!11」

(。・д・)がヾ(●ω●)ノ”をみると、(。・д・)に触れた部分が赤くただれて血が噴出している。
指は当然、服を溶かして腹からも湯気が噴出している。

(。・д・)「おいおい・・・こりゃぁ熱いどころの話じゃねーぞ」

川 ゚ -゚)「どうやら熱湯より酸に近いようね。見て・・・」

奇声を上げて、床を転げまわっているヾ(●ω●)ノ”の腹が完全に溶け、内臓まで侵食しているようだ。
指の一本一本から骨が見え、頬に開いた穴からは咥内が見えた。

(。・д・)「これはひどい・・・」

(。・д・)の言葉を川 ゚ -゚)が簡単に流した。

川 ゚ -゚)「当然よ。女をおもちゃだと思っているようなヤツには、これくらいやらないと解らないでしょう」

(。・д・)「バカは死ななきゃ直らない・・・ね」



黒い玉はゆっくりと下降してきた。

|||-_|||「・・・新たな能力ね?」

( ゚д゚ )「そうだよ。蛇は私が作り出していた。紅白の蛇は綺麗だっただろう?
    もうあれ程の長さの蛇は出せないがね・・・この程度ならいくらでも出せる!」

黒い玉が地面に触れた瞬間、まるで液体のように飛び散った雫が、一瞬で色とりどりの蛇へと変わった。

|||-_|||「もう蛇なんかじゃ私を殺せないわよ」

( ゚д゚ )「あぁ、この蛇には毒もないしね。ただ・・・」

( ゚д゚ )の目がいやらしく細まった。

( ゚д゚ )「体力が保つかなwwww」

蛇がいっせいに|||-_|||に向かって飛びかかった。だがすでに|||-_|||の両手の刀は高速で行動を開始していた。



ξ゚听)ξ「うわぁぁぁ!!!!」

ξ゚听)ξが大声を上げながら('、`川に突っ込んでいった。

('、`川「バカな子・・・ホントに子孫って先祖に似るのね。ドクオも同じくらいバカだった」

('、`川の目が見開かれる。

('、`川「あたしを選ばなかったんだもの!」

今まで以上の圧力で風がξ゚听)ξを襲った。


・・・・・・静寂が訪れた。



('、`川「バカな子・・・斧なんかじゃあたしに敵うわけないのに」

ξ゚听)ξ「そうね」

('、`川「え?」

ξ゚听)ξ「バイバイ」

ξ゚听)ξの渾身の一撃が('、`川の脳天を直撃した。

その衝撃は頭蓋骨を突き破り、大脳皮質を通って脳みそを完全に破壊した。

('、`川「ふん・・・さすがはあたしが惚れた男の子孫ね・・・見事だったわ」

('、`川の体が光につつまれた。
そして光が('、`川の体に浸透していくと共に、輪郭が曖昧になってくる。

('、`川は笑顔のままこの世から完全に消えた。

ξ*゚д゚*)ξ「あー痛い!痛い!早く直しなさいよドクオ!」



Σξ(゚、゚ξ「ドクオ?ドクオってば、居るんでしょ?」

(。・д・)「おう、そっちも倒したみたいだな」

ξ゚听)ξ「ピアスちゃん。なんかね、私の先祖が消えたみたいなの」

(。・д・)「あぁ、あたしん中の先祖も消えたよ。なんでだろうな?」

ξ゚听)ξ「解らないけど・・・って!背中に担いでるのってもしかして?」

(。・д・)「白豚だ。それがどうかしたか?」

ξ゚听)ξ「ちょっと、あぶないわよ。また襲ってくるかも・・・」

(。・д・)「だいじょぶだって。もう死んでんだから」

ξ゚听)ξ「え?」

(。・д・)「それに・・・こいつには一回おんぶしてもらったことあるからな・・・」

(。・д・)が遠くを見るような目をして言った。



( ゚д゚ )「ふっふっふっ・・・さすがに疲れてきたようだな」

|||-_|||「くっ・・・」

( ゚д゚ )「いくらお前だとはいえ、体はしぃのものだ。思い通りには動くまい」

(*゚ー゚)「貞子さん大丈夫?ボクが変わろうか?」

|||-_|||「だいじょぶよ。それにしぃちゃんが出ても使う体は同じ・・・」

( ゚д゚ )「そうだ、つまりお前たちは私には勝てないと言うことだ。お前たちだけな」

|||-_|||「え?」

( ゚д゚ )「私以外の二人は消えたよ。この世からな」

(*゚ー゚)「じゃ、ツンちゃんとピアスさんは勝ったんだ!」

( ゚д゚ )「風を起こすしか能のない女と、性欲しかない縄男では勝てるはずもない。
     お前たちの先祖のほうが有能だったようだな。噂をすれば・・・ほら」

洋館から二人の男女が歩いてきた。



ξ゚听)ξ「そう言えば、しぃちゃんはどうしたかしら?」

(。・д・)「そういやそうだな。行ってみるか」

ξ゚听)ξ「その死体はどうする気?」

(。・д・)はちょっと考え込んだ後、もう一度呟いた。

(。・д・)「恩があるからな、とりあえず客間に寝かしとこう」



( ゚д゚ )「なんだ、お前たち分離したのか」

('A`)「おう。なんか知らんが飛び出たみたいでな」

川 ゚ -゚)「蛇を操っていたのはお前だったか。怨みは返させていただくぞ」

|||-_|||「お前たちは下がっててくれ。こいつの相手は私だ」

( ゚д゚ )「そうは言うがな大佐。こいつらにも怨みがある。戦わせてやればいい」

('A`)「まぁ俺だけ戦闘向きじゃないからな。何も出来んが・・・」

川 ゚ -゚)「蛇くらいなら私たちでも殺せるだろう。貞子とやらは男と存分に戦え」

|||-_|||「・・・感謝する」



川 ゚ -゚)がゆっくりと蛇の群れに向かって歩いていく。

|||-_|||「お、おい・・・あぶな」

色とりどりの蛇が川 ゚ -゚)に跳びかかり、蒸発した。

川 ゚ -゚)「私の心配は良い。そこのドクオにもな。彼は治癒能力が優れているから、死ぬことはあるまい」

そう言いながら蛇を掴み、一瞬で溶かしていく。

('A`)「全く、女ってのはこえーな」

( ゚д゚ )「貞子、一騎打ちだ!」

( ゚д゚ )が巨大な氷の塊を|||-_|||の頭上から落下させる。
|||-_|||の両手の刀が反応し、氷を寸刻みにする。
|||-_|||は走った。接近戦で一気に決着をつける。



( ゚д゚ )「ふむ・・・これが最後だ!」

( ゚д゚ )が二体に分裂した。そしてすぐさま炎を刀に模し、|||-_|||に向かって走る。

ガキン!

( ゚д゚ )の太刀筋を|||-_|||が両手の刀で受け止め、そのまま返し刀で首を狙う。
だが( ゚д゚ )の動きは素早かった。いや・・・|||-_|||の動きが遅くなっているのか。

( ゚д゚ )「チャンス!」

|||-_|||の刀を屈んでかわし、腹と足を狙って炎を突き出す。
だが|||-_|||の刀によって防がれた。

|||-_|||の腕は今や大蛇のようにくねり蠢いた。骨や間接などお構いなしに動く。動く。動く。

( ゚д゚ )「く・・・貴様化け物か??!」

すでに( ゚д゚ )は一体になっていた。

|||-_|||「負けるわけにはいかないのよ・・・」

|||-_|||の両刀が( ゚д゚ )の首筋に、同時にめり込んだ。

|||-_|||「・・・・・・」

( ゚д゚ )「どうした?早く殺せ」

 




■最終話:集合。


( ^ω^)「あうあう、頭が重いお」

俺が目を覚ましたのはフェラレディの中だったお。
運転席にはξ゚听)ξが座っていて、安全運転で商店街を駅に向かって進んで行ったお。

(*゚ー゚)「あれ?目が覚めたの?」

この女は相変わらず目がデカイお。常に目を覗き込んでくるような仕草が堪らないお。

(。・д・)「全く、ツンが免許を持ってたから良かったもののよ・・・
     お前が目を覚まさなかったら帰れなかったじゃねーか」

男女がなんか言ってるお。何のことだかわからないお。

( ^ω^)「そう言えば、どうやって直したのかお?貞子に俺のフェラレディは斬られちゃったはずだお」

(。・д・)「あー、うん。まぁ適当にな」

(。・д・)がそう言って窓の外を見た。

なんかおかしいお。こいつがお茶を濁すような言い方をするなんて・・・



ふー。私は( ^ω^)が目を覚ましたのを見て、ほっとした。

あの後・・・( ^ω^)をベッドに寝かせた後、私と(。・д・)は庭に急いだ。

すると、そこに立っていたのは(*゚ー゚)と|||-_|||だけだった。

ξ゚听)ξ「終わったの?」

|||-_|||「終わった・・・長かった呪いに終止符が打たれた」

そう言った後、|||-_|||が急に洋館に向かって走り出した。

私たちも|||-_|||を追いかける。

すると、|||-_|||は( ^ω^)のいる部屋が解っているかのように、あっさり扉を開けた。



|||-_|||「こいつが一番の被害者かもしれないわ」

そう言って( ^ω^)の胸に手を当てると、光の粒子が二人を包み・・・|||-_|||が消えた。

あたしは見た。|||-_|||が消える直前に微笑むのを。

(。・д・)「・・・・・・」

そしたらなんとも言えない気分になって、あたしは涙が止まらなくて。

横を見ると、(*゚ー゚)とξ゚听)ξも泣いているようだ。

あたしたちはしばらく黙って泣き続けていた。



ボク達はしばらく泣いた後、( ^ω^)の胸が苦しそうに上下しているのに気づいた。

(*゚ー゚)「あれ?生き返った・・・の?」

ξ゚听)ξと(。・д・)が声を上げて泣き出した。

ボクもそれを見てまた泣いた。( ^ω^)が寝言で腹減ったといった。

それを聞いたら急に馬鹿らしくなっちゃって・・・三人で顔を見合わせて笑った。

泣いて、笑って、また泣いて。



一通り泣きやむと、ボク達は帰ることにした。
(。・д・)が( ^ω^)を背負い、他の荷物はボクとξ゚听)ξが手分けして持った。

すごく時間がかかったけど、ボク達は金網までたどり着いた。

ボクが南京錠をはめるのを、ξ゚听)ξと(。・д・)がちょっと悲しそうに見ていた。



ξ゚听)ξ「え?あの人!」

私は叫んだ。ボロボロになって歩いてくる男・・・それは|||-_|||が殺したはずの

( ゚д゚ )「こっちみんな!」

私たちは三人一緒に「お前が見んな!」と叫んだ。

( ゚д゚ )「すまん。お前たちには迷惑をかけた」

ξ゚听)ξ「は?」

( ゚д゚ )「こっちみろ!」

( ゚д゚ )が指差した方に( ^ω^)のフェラレディがあった。新車みたいに光り輝いている。

私が振り向くと、( ゚д゚ )が薄くなって消えるところだった。

ξ゚听)ξ「あ、ありがとう・・・」

( ゚д゚ )が一瞬微笑んだ気がした。



フェラレディが駅前駐車場に滑り込んだ。

(。・д・)「なんか長い一日だったよな・・・」

ξ゚听)ξ「まだ12時間くらいしか経ってないわ」

(。・д・)「細かいことは良いんだよ!あー腹減ったー!寝てぇ!死ぬまで寝てぇ!」

みんなで爆笑した。

「一番線に下りー甲府行きが到着いたしま」

ξ゚听)ξ「白豚とはここでお別れね」

( ^ω^)「寂しくなるお・・・」

(。・д・)「おいおい・・・泣いてんじゃねーよww」

(*゚ー゚)「また会えるよwボク来年も来ることにしたから」



(。・д・)「あ、あたしも・・・来てもいいかな?なんて」

ξ゚听)ξ「わ、私だって!」

( ^ω^)「おっおっ?」

(*゚ー゚)「あーダメだよー!白豚君はボクと結婚するんだからっ!」

(*^ω^)「うはwwwフラグキタコレwwwww」

ξ゚听)ξ「あなたじゃ子供過ぎるわよ」

(。・д・)「そうだそうだ!ガキは青い春でも楽しんでろ」

私と(。・д・)は車の中で(*゚ー゚)から( ^ω^)の過去を教えられた。
それは私たちが体験した話し以上に惨かった。

(*^ω^)「ちょwwwまぁ三人くらいがちょうどいいおwwwwみんなと結婚するおwww」

(*゚ー゚)「あー!もう!二人とも邪魔しないでよね!」



四人がワイワイやっているのをあの世から見つめている影があった。

|||-_|||「・・・あんなの男との血が混ざったら、私の家系はおしまいだな」

( ゚д゚ )「はははwいいじゃないか。面白い子供が生まれそうだ。なぁカーチャン?」

J( 'ー`)し「そうねw期待しちゃうわw」

('A`)「おいおい、冗談じゃねーよ・・・」

('、`川「あんたの子孫なんだから、どうせまともにはならないわよ」

('A`)「お前なぁ・・・」

川 ゚ -゚)「しかし私に子供が居たとは・・・」

( ゚д゚ )「知らなかったのか?お前はパンダが死んだ後、妊娠して子供を育てて死んだんだとさ」

川 ゚ -゚)「なに?それでは私の子の父親とは・・・」

ヾ(●ω●)ノ”「うひょひょひょ♪僕の子供だじょw」

川 ゚ -゚)「殺す・・・」



(。・д・)「お前らなぁ!こいつを担いで獣道を下りてきたのはあたしなんだぞ!」

(*゚ー゚)「そんなこと言ったってダメだよーだ。ボクのご先祖様が生き返らせたんだから」

ξ゚听)ξ「あら?あなたみたいなお子ちゃまが結婚できると思ってるの?」

(。・д・)「お前みたいなお嬢様にゃコイツの世話なんて出来るわけねー!」

ξ゚听)ξ「あら?おっぱいの小さい洗濯板には言われたくないわねwwww」

(。・д・)「殺すwwwwwwwww」

川 ゚ -゚)「やれやれ・・・」

('A`)「ホントやれやれだぜ」

|||-_|||「恥ずかしい・・・」

( ゚д゚ )「はっはっは!元気なのはいいことじゃないかwww」

J( 'ー`)し「そうねwwいいことよねww」



「甲府行きードアが閉まりますー」

ξ゚听)ξ「あ!」

(。・д・)「あ!」

(*゚ー゚)「あー!バカー!乗り遅れちゃったー!」



( ^ω^)ブーンが霊能力者になったようです・・・完。

 

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