67 名前: カップルギコしぃ 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:33:33.82 ID:bOXNNog4O

街頭テレビ。
交差点。
車の通りも人の通りもない。
ただ、戦いに負け、気絶している者達が点々としている。

( ,,;゚Д゚)「なんなんだゴルァ……」

その光景に、ギコは仰天していた。
前回参加した時には経験していない事態。

(*゚∀゚)「どうやら、その原因がいるみたいだぜ」

m9(#゚;;-゚)「……」

でぃが指をさす。
交差点の真ん中で、煙草を吸っている渋い男がいる。

( ,_ノ` )y━・~~~「世の中にゃ……雑念にまみれた輩が大勢いるぜ」

嘆くように男は言った。

( ,,゚Д゚)「こいつら全部、お前がやったのかゴルァ!?」

( ,_ノ` )y━・~~~「逃げた奴もいるがな。参加証が欲しかったらやるぜ?
今頃、別に動いてる奴等が同じことをしているはずだからな」

( ,,#゚Д゚)「敵の施しは受けんゴルァ!」


68 名前: カップルギコしぃ 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:34:54.14 ID:bOXNNog4O

( ,_ノ` )y━・~~~「敵?そうだなぁ」

男は煙草を地面に落とし、踏み潰した。

( ,_ノ` )「なら闘るかい?兄ちゃん」

軽くファイテングポーズをとる。
それに応じるように、ギコも前に出る。
睨み合いが続く。
そして……

( ,,゚Д゚)「ゴルァ!」

一気に間合いを詰めると、ギコの拳が飛んだ。
しかし、それは簡単に受け止められる。

( ,_ノ` )「真っ直ぐな拳だな。真っ直ぐすぎるぜ」

そう言った直後、間髪入れずにギコの蹴りが男の顔に飛んだ。
だがその蹴りも、受け止められる。

( ,_ノ` )「どっちも届かなきゃ意味がねえ」

そう言った直後、

ゴッ

鈍い音が、ギコと男の額から轟いた。
ギコの渾身の頭突きが、男の額を捕らえる。
だが、掴んだ腕は、依然として固く。
 

70 名前: カップルギコしぃ 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:40:34.06 ID:bOXNNog4O

( ,_ノ` )「これは痛ぇなぁ……」

プッと唾を吐き、

ゴッ

今度は男が頭突きを喰らわせる。

( ,,;゚Д゚)「ガァ……ッ!!」

男が手を離すと、ギコはその場に倒れ込んだ。
頭がぐらんぐらんしている。
男は、とどめを刺そうと近付いてきた。

(*゚∀゚)「待て!」

つーが前に出る。

(*゚∀゚)「勝敗は決したはずだぜ。参加証はオレのをやる、だからもう行ってくれ」

( ,_ノ` )「……」

男は懐を探り始めた。
そして、

( ,_ノ` )「やるよ」

バラバラと参加証が落ちてくる。

71 名前: カップルギコしぃ 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:41:31.91 ID:bOXNNog4O

( ,_ノ` )「別に俺は、願いを叶えるために参加したんじゃないんでな」

男は煙草に火をつける。

( ,_ノ` )y━・~~~「兄ちゃん、その子に感謝しろよ」

男は行ってしまった。

(#゚;;-゚)「……」

ギコに寄り添うでぃ。
つーは手を伸ばす。

(*゚∀゚)「立てるか?」

( ,,゚Д゚)「少し油断しただけゴルァ」

自分で立ち上がり、去り行く男の後ろ姿を睨んだ。

( ,,゚Д゚)「次に出会った時は、必ず俺が勝つゴルァ」

 


 

73 名前: モナー一行 編@ 投稿日: 2007/03/01(木) 23:46:52.96 ID:bOXNNog4O

( ´∀`)「次!来るモナー!」

前回大会参加者のモナー一行。
大会に参加する前のモナーは、少しおどおどした性格であった。
だが、戦いの基本を覚え、強くなるために大会に望んだ。

( ・∀・)「モナーさん、凄いっス!」

|゜ノ ^∀^)「これで20人抜き!」

モララーは、前回の大会で敵だったのであるが、今大会ではチームを組んでいる。
レモナは、モナーの戦友であり恋人である。

( ´∀`)「ふう。この辺りはもうだいぶ片付けたモナー」

( ・∀・)「はい!やっぱり流石っスね」

|゜ノ ^∀^)「たくさん悪者を倒して、世界を綺麗にしましょ!」

レモナはモナーに抱きついた。

(*´∀`)「あ、あんまり人前で、こういうのはいけないモナー」

|゜ノ ^∀^)「大丈夫!もうみんな倒しちゃってるもん」

74 名前: モナー一行 編@ 投稿日: 2007/03/01(木) 23:48:22.01 ID:bOXNNog4O

モナーは顔を赤く染めて、俯いてしまった。

「いんや。まだいるぃょぅ」

「アヒャ」

突然、どこからともなく声が聞こえた。
そして、上から人が降ってくる。

(=゚ω゚)ノ「だいぶやったなぃょぅ」

(゚∀゚)「アヒャヒャ」

(=゚ω゚)ノ「そうだなぃょぅ。俺達の仕事丸潰れだぃょぅ」

( ´∀`)「お前達、何者だモナー!?」

(=゚ω゚)ノ「名乗るほどの者じゃなぃょぅ」

(゚∀゚)「アヒャ」

( ・∀・)「モナーさん、こいつらも悪者っスよ」

( ´∀`)「そうか、やっぱりそうだったモナー」

モナーは構えを取る。
そして、突進した。
風を切って掌底が飛ぶ。

75 名前: モナー一行 編@ 投稿日: 2007/03/01(木) 23:53:12.32 ID:bOXNNog4O

(=゚ω゚)ノ「ぃょっ」

ぃょぅは身を反らして掌底をかわし、

(=゚ω゚)ノシ「ぃょぅ!」

手刀を振るう。
戻ってくる反動も加わって、手刀はかなりの重さをもってモナーの顎に直撃した。

(;´∀`)「ッ!?」

モナーの体が宙を舞う。
一瞬何が起きたのかわからなくなったが、すぐさま正気を取り戻す。
着地して、目の前の男を睨んだ。

(=゚ω゚)ノ「打点をずらしたかぃょぅ。本来なら一時的に三半規管が駄目になるんだがぃょぅ」

(;´∀`)「単なる参加者じゃないモナー……?」

前回の大会にも、こんな実力を持った参加者はいなかった。
おそらく一緒にいるアヒャアヒャいっている者も、相当な手練だろう。

(゚∀゚)「アヒャ」

76 名前: モナー一行 編@ 投稿日: 2007/03/01(木) 23:54:07.95 ID:bOXNNog4O

(=゚ω゚)ノ「なんだ?もうそんな時間かぃょぅ」

(゚∀゚)「アヒャアヒャ」

(=゚ω゚)ノ「りょうかぃょぅ」

モナーとの闘いもおざなりに、二人は跳んで、どこかに行ってしまった。

( ´∀`)「逃げられたけど、強い奴だったモナー」

( ・∀・)「……チッ」

( ´∀`)「何か言ったモナー?」

( ・∀・)「別に何も言ってないっスよ」

|゜ノ ^∀^)「それよりモナー!もっともっと悪者を倒しましょ!」

( ´∀`)「うん!頑張るモナー!」

正義感に燃える男、モナー。
そしてモララー、レモナ。

三人の前に現れた二人。
そして、ギコ達と戦った男。

まだまだ戦いは始まったばかりだ。

 


 

110 :マスターショボーン 編@ :2007/03/02(金) 17:15:24.47 ID:HzHvpWMHO

日も暮れ、夜も深まった頃。
とあるバーが開店する。
BAR『バーボンハウス』。

( ´_ゝ`)「今日は負けたが明日があるさ」

(´<_` )「兄者、参加証者二枚持ってて命拾いしたな。
俺の屍を越えて優勝してくれ」

カウンターで酒を飲んでいる流石兄弟。
どうやら兄者には、まだ参加資格があるようだ。

(´・ω・`)「二人共、確か前の大会にも出てたよねぇ」

( ´_ゝ`)「そうなんだよマスター」

(´<_` )「でも俺達、レベルの低い奴等に負けちゃってさ」

(´・ω・`)「それは災難だったねぇ。まぁ飲んでよ、一杯奢るから」

マスターであるショボンは、強めの酒を差し出した。
それを一気に飲み干す流石兄弟。
そしてまた、何杯かおかわりをする。

111 :マスターショボーン 編@ :2007/03/02(金) 17:16:49.35 ID:HzHvpWMHO

(*´_ゝ`)「あー……しょんべんしてくるのらー」

(´<_`*)「行ってらっはい」

酔いはだいぶ回っている。

(;´_ゝ`)「う〜〜〜、トイレトイレ」
今トイレを求めて全力疾走している僕は
前大会でトップ10に入ったごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば、「優勝」に興味があるってとこかナー。
名前は兄者。
そんなわけでバーボンハウスにあるトイレにやって来たのだ。

ガチャ

(´・ω・`)「やあ。ようこそ、トイレへ」

(*´_ゝ`)「ウホッ、いいマスター」

(´・ω・`)「闘 ら な い か」









「アッー!」

112 :マスターショボーン 編@ :2007/03/02(金) 17:21:08.52 ID:HzHvpWMHO

バーボンハウスに、断末魔が響く。

(´<_` )「ん?どうした兄者……あにじゃー!!」

トイレに駆けつけた弟者は、兄者のあられもない姿に声を上げた。

(`・ω・´)「まさか戦う相手に酒を出すとは思うまい」

思わずシャキーン顔になるショボン。

(´・ω・`)(それに大会期間ともなれば、戦いに疲れた参加者でバーは賑わうからね。
店外からレーダーで探知したところで、そんな遠距離では誰がどの反応かもわからない。
店の中に入って確認しようとすれば自分が参加者だとバラすことになるだろうしね)

シェイカーを振りながら、ショボンはそんなことを思った。
そんな時、ドアに取り付けてあるベルが音を鳴らし、二人の客が入店してくる。

113 :マスターショボーン 編@ :2007/03/02(金) 17:21:57.70 ID:HzHvpWMHO

ショボンは客達の死角に位置する場所に置いたレーダーを見る。
どうやら、この二人は参加者ではないらしい。

<ヽ`∀´>「こんなところで大丈夫ニダ?」

( `ハ´)「木を隠すには森の中アル」

カウンター席に座る二人。

( `ハ´)「ニーハオマスター、老酒飲みたいアルよ」

<ヽ`∀´>「ウリはJINROロックニダ」

(´・ω・`)「はいはい」

手早くショボンは用意し、二人に差し出す。

(´・ω・`)「はじめましてのお客さんにはサービスだよ」

<ヽ`∀´>( `ハ´)「タダ大好き」

気を良くし、二人は酒を口にした。

( `ハ´)「で、めぼしい相手は見つかったアルか?」

<ヽ`∀´>「拉致れそうな奴がいたニダ」

114 :マスターショボーン 編@ :2007/03/02(金) 17:27:20.04 ID:HzHvpWMHO

( `ハ´)「秘密工場を貸すからには、見返りは期待できるアルか?」

<ヽ`∀´>「当たり前ニダ。これは『ハングル』と『中国』、
二つのブロックで良いとこ二人占めする計画ニダ」

何やら怪しげな話をしている。

<ヽ`∀´>(何かあったら『ニダー』ブロックに逃げればいいニダ。ウェーハハハハ!)

( `ハ´)(上手くいったら『中国英雄』のブロックの者達と攻め込むアル。
チョンだけに良い思いをさせる宗主様じゃないアル……)

<ヽ`∀´>「ともかくニダ」

( `ハ´)「乾杯アル」

杯を交わす。
何やら、良からぬ悪だくみをしている二人。

(´・ω・)「こりゃ……」

(・ω・`)「なにやら……」

(´・ω・`)「偉いことを聞いてしまったね」

こっち見るな。

116 :マスターショボーン 編@ :2007/03/02(金) 17:28:47.33 ID:HzHvpWMHO



朝方、そろそろ閉店時間が近付く。
店には、もう誰の姿もなかった。
そんな時、ドアのベルが鳴る。

( ,_ノ` )「マスター、強いのくれや」

(=゚ω゚)ノ「俺にはジュース頼むぃょぅ」

(゚∀゚)「アヒャアヒャ」

(´・ω・`)「やっと来たかい」

待っていたかのように、ショボンはすぐに飲み物を出した。
渋澤、ぃょぅ、アヒャ、それがこの三人の男達の名である。

( ,_ノ` )「待ってたみたいな口振りだな」

(´・ω・`)「まぁね。一応、バーのマスターとも大会参加者とも別の顔もあるからね」

(=゚ω゚)ノ「で、どんな話だぃょぅ」

(´・ω・`)「チョンとチャンコロが何かやるみたいだよ」

ショボンは、店に来た二人の男の話を、三人に説明した。

(´・ω・`)「おおかた、願いを叶える権利を手に入れるのが目的なんだろうけどね。
君達の正体までは知らないけど、教えてあげようと思ってさ」

118 :マスターショボーン 編@ :2007/03/02(金) 17:33:05.78 ID:HzHvpWMHO

( ,_ノ` )「拉致、秘密工場……か」

(=゚ω゚)ノ「『中国』……あのブロックはかなり広いょぅ。
手がかりを探すだけで一苦労だぃょぅ」

(゚∀゚)「アヒャ」

( ,_ノ` )「そうだな。拉致られそうな奴を探して阻止するぐらいしかないか」

(;´・ω・`)「明らかに不可能そうなことを平気で言うね。
おそらく大会参加者だろうけど、それだって何人いるかわからないのに」

( ,_ノ` )「いや、その心配はいらねぇ」

(=゚ω゚)ノ「昨日一日で弱そうな奴はほとんど倒してきたぃょぅ」

ぃょぅとアヒャの服から、バラバラと参加証が落ちてくる。
その数、100枚以上……

119 :マスターショボーン 編@ :2007/03/02(金) 17:34:15.40 ID:HzHvpWMHO

(;´・ω・`)「これは凄いね」

床に散る参加証に思わず圧巻するショボンだった。

( ,_ノ` )「わざわざ『VIP』にまで来たってことは、ターゲットは『VIP』にいるってことだ」

(´・ω・`)「で、『VIP』にいた参加者は君達が一掃したから、探しやすくなるか」

( ,_ノ` )「ターゲットは俺達が倒したような雑魚じゃないはずだからな。
拉致と秘密工場なんて単語出されれば予想はつく。強い参加者を解析して……な」

シリアスなムードがバーボンハウスを包む。

これにて、暗転。

 

 

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