314 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:37:36.59 ID:SbRobX6R0

では投下します。


七時限目:「Clash and Learn」

('A`)「好きな子が…できた…」

その話を聞いたのは、霧雨が舞うある梅雨の日、
ジメジメとした地下教室で。

(;^ω^)「…お?」

(=;゚ω゚)ノ「これはまた思いきったカミングアウトだヨゥ…」

連日の雨によって今の空のように曇った気分の中、
くたびれた空調がカタカタと音を立て動いている窓のないこの陰気な教室で、
よもやそのようなストロベリートークを耳にするとは思いもよらなかった。
しかもよりによって一番色恋沙汰に無縁そうなドクオからとは。

(=;゚ω゚)ノ「で、お相手は?」

('A`)「理系Aクラスの…須永クーさん…」

(;^ω^)「なるほろ…確かに美人さんだお…」
 


316 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:39:05.45 ID:SbRobX6R0

以前にも説明したが、
僕らの通うヒュン台ニュー速校舎は階ごとにレベルが分かれている。
最下位である我らVIP大理系Dクラスと、エリート中のエリートのAクラス。
階が離れている故殆ど接点はないのだが、このクーという人物の事だけは良く知っていた。

昨年行われた模試は全て常にトップの成績、
VIP大の理科三類でさえ目を瞑ってでも入れるだろうと謡われた彼女だったが
、何の因果か落ちてしまい今はヒュン台に通っている。

性格は温厚で誠実、少し物を正直に言い過ぎる面もあるらしいが、
彼女の周りには常に多くの人が集まっているのを良く見かける。
更にその容貌まで美しいとあればファンが多いのも頷ける話だった。
要するに有名人なワケで。

そんな高嶺の花に、ナナフシが恋をしてしまったのだ。
 


317 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:39:46.49 ID:SbRobX6R0

( ^ω^)「…で、いつ惚れたんだお?」

('A`)「昨日…廊下で…すれ違って…」

(=゚ω゚)ノ「ほうほうそれで?」

('A`)「目が…あった…」

(=゚ω゚)ノ「…」

( ^ω^)「…」

('A`)「…」

( ^ω^)「で、そのあとは?」

('A`)「それだけ…」

(;^ω^(=;゚ω゚)ノ「それだけかよっ!!」

小学生の恋だってもうちょっときっかけは複雑なはずだ。

319 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:40:33.37 ID:SbRobX6R0

(=*゚ω゚)ノ「ドクオ…さては童貞だヨゥ?」

(;'A`)「な…なんでわかるの…?」

(=゚ω゚)ノ「目があっただけで惚れるような奴が女慣れしてるワケないヨゥ」

( ^ω^)「(確かに…)」

(=゚ω゚)ノ「で、ブーンはどうなんだヨゥ?」

(;^ω^)「ぼ、僕はもちろん違うお!?」

(=*゚ω゚)ノ「ホントかヨゥ?wじゃあ初体験はいつどこで誰とどんなんだったヨゥ?w」

(;^ω^)「ち、中学の時の彼女と、ほ、ホテルでしっぽりと…」

(=゚ω゚)ノ「じゃあ…」

イヨウは急にペンと紙を用意して、スラスラと何かを書き込んでいく。
 


320 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:41:28.86 ID:SbRobX6R0

(=゚ω゚)ノ「どこに入れたんだヨゥ?」

描かれていたのは、アワビのような絵と上下に並んだ三つの点。

(;^ω^)「(この話の流れからいくと…これは間違いなく女性器!
しかし何故に穴が三つ…まさか一つはダミーかお?
一番下はきっとアナルだから、確率は二分の一だお!)」

(=*゚ω゚)ノ「ほらほら、どうしたんだヨゥ?経験者ならわかるはずだヨゥw」

これ以上時間を伸ばすのはまずい、
僕は迷う素振りなど見せないように真っ直ぐ一番上の点を指差した。

(*^ω^)「ここだお!ここに僕のドクターグリップを突っ込んでヒィヒィ言わせてやったんだお!」

(=゚ω゚)ノ「…」

( ^ω^)「(間違えたかお…?)」
 


321 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:42:10.06 ID:SbRobX6R0

(=゚ω゚)ノ「…わかったヨゥ、お前はどうやら違うみたいだヨゥ、
ただちょっと性癖がおかしいだけで」

イヨウが僕の肩に手を回してくる。どうやらこれで正解だったようだ。

(*^ω^)「まぁ、童貞なんて18までには捨ててるのが当然だおwww」

(=゚ω゚)ノ「(こいつも童貞か…)」

( ^ω^)「そういうイヨウはどうなんだお?何人転がしたんだお?w」

(=゚ω゚)ノ「お前は今までに食べたパンの数を覚えているのか?」

(;^ω^)「うっ…」

こいつ…出来る。
まさか耳にぶら下がったピアスの数は抱いた女と同じ数、とかじゃないだろうな。
 


322 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:43:03.17 ID:SbRobX6R0

( ^ω^)「そういえば、彼はどうなんだおね?」

並べた机の上で、おっぱいプリンをアイマスクに寝ているジョルジュの方へと顔を向ける。

( ◎∀◎)「ZZZ…」

(=;゚ω゚)ノ「あいつは…全てが予測不可能だヨゥ…」

(;^ω^)「だお…」

('A`)「あの…話題…戻していい?」

(;^ω^(=;゚ω゚)ノ「あ…」

忘れていた、今はドクオの恋物語の途中だった。

(=゚ω゚)ノ「そうだったヨゥ。で、ドクオはどうしたいんだヨゥ?やっぱ付き合いたいかヨゥ?」
 


323 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:43:44.32 ID:SbRobX6R0

ドクオが小さく首を縦に振る。
まぁ、惚れた相手とどうこうなりたいと思うのは生物としては当然の事と思う。
ただ今回は、生物の種が違うのが難しいところだ。
しかし、そんな事で諦めるDクラスではない。

( ^ω^)「じゃあ…ドクオ&クー(はぁと☆)らぶらぶげっちゅう♪大作戦を発動するお!!」

(=゚ω゚)ノ ('A`)ノ「おー」

まぁ、勉強ばかりの毎日に刺激が欲しかっただけなのだけど。
 


324 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:44:45.69 ID:SbRobX6R0

☆さくせんそのいち☆
『キケンな男に女は惚れる』

壁|^ω^)…
壁|^ω^)…!

( ^ω^)「こちらチームアルファ、ターゲットの接近を確認したお。どうぞ(ヒソヒソ)」

(=゚ω゚)ノ「こちらチームブラボー、了解したヨゥ。
これよりターゲットと不要因子との切り離しにとりかかるヨゥ。どうぞ(ヒソヒソ)」

(;'A`)「なんで…同じ場所にいるのに携帯で…」

( ^ω^)「チームチャーリー、これは携帯ではない、トランシーバーである。どうぞ(ヒソヒソ)」

(;'A`)「はぁ…どうぞ…」

(=゚ω゚)ノ「では、作戦に移るヨゥ。どうぞ(ヒソヒソ)」


326 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:45:49.10 ID:SbRobX6R0

通信を切ると同時にイヨウが廊下に飛び出す。
目標は、こちらに向かって歩いてくるクーの取り巻きだ。

(=;゚ω゚)ノ「大変だヨゥ!あっちで地学の阿部さんと国語のモナーさんがksms中だヨゥ!」

ΩΩΩ<ナンダッテー

クーの周りにわらわらと群がっていた集団が一気に駆け出すと、
その場に残されたのは彼女のみとなった。

( ^ω^)「(やはり思った通り!彼女はこういう事には興味を示さない!)」

( ^ω^)「ドクオ、今がチャンスだお!」

('A`)「う…うん…」
 


327 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:46:51.57 ID:SbRobX6R0

物陰から恐る恐る姿を表し、未だ平然と歩き続けているクーの元へとドクオが向かう。
窓の外に見える街路樹の枝と同化していて、ステルス機能もバッチリだ。

川 ゚ -゚)「…」

ドクオが右腕を左手で押さえ、作戦準備にかかる。
勝負は彼女がこちらを見た時だ。

川 ゚ -゚)「…?」

('A`)「(…よし!)」

(;'A`)「ぐ…ぐぁぁぁ…邪気眼が…!?…し、静まれ…!
…奴らが近くにいるのか…?君…!ここは俺が…君は早く逃げろ…!」


329 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:47:55.06 ID:SbRobX6R0

まるで意思に反して勝手に動こうとする腕を押さえるようにもがき、
苦しそうな素振りでピンチをアピール。
しかし通りすがった彼女を巻き込むまいと自分を犠牲にするその男らしさ、
そしてミステリアスな謎のヒーローチックな振る舞い。
迫真の演技だ。

( ^ω^)「(女は危険な香りのする男に弱いもんだお!この勝負…もらった!)」

川 ゚ -゚)「…」

スタスタスタスタ……

( ^ω^)「…」

('A`)「…」

( ^ω^)「…」

('A`)「…」

( ^ω^)「……ブラボー、作戦は失敗だお。帰還せよ」
 


330 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:48:53.36 ID:SbRobX6R0

☆さくせんそのに☆
『頭の良い男に女は惚れる』

先程のは少々いただけない作戦だった。
危険な香りの男性を苦手とする女性だって勿論いるはずだ。
クーはきっとそうなのだろう。ならば今度は万人共通のプラス要素で攻めるのみ。

( ^ω^)「頭の良さをアピールして今度こそクーさんをゲッツだお!」

さっきとは場所を変え、今度の舞台は自習室。
カリカリと熱心に勉強を続けるクーを発見した僕らは、一端物陰に隠れた。


332 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:49:56.41 ID:SbRobX6R0

(=゚ω゚)ノ「いいかヨゥドクオ、あくまで自然にいけヨゥ」

('A`)「うん…わかった…」

ドクオがゆっくりと歩を進め、参考書を片手に彼女の机の隣に座る。

( ^ω^)「(第一段階クリアだお)」

('A`)「(…よし!)」

('∀`)「ふふふ…成程成程、xが3だからバルキスルスの定理に乗せて…
ここがこうなってこれがこうなるのか。ふっ、ここまで19秒か、まぁまぁかな」

隣に位置取り、小声で今自分の取り組んでいる問題の難易度を暗に教え、
更にそれを即座に解ける事をアピール。ここまでは順調だ。

川 ゚ −゚)「…?」

('∀`)「あぁ、これかい?海外に行ってる親父の宿題でさ。
受験勉強なんか余裕だからこうして今解いてるんだよね。
なんなら教えてあげようか?おっと、高校受験レベルなら俺じゃなく参考書に聞いてくれよw」


334 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:51:12.92 ID:SbRobX6R0

何をやっているのだろうとこちらを向いた彼女へのフォローも完璧だ。

( ^ω^)「(大学受験レベルを遥かに超えた内容をスラスラと解くこの頭の回転!
更には解説までするという気遣い!)」

これはイケる!

('∀`)「仕方ないな、じゃあ教えてあげるよ。ここが…ん?」

(#・∀・)ビキビキ…

(;'A`)「あ…」

首根っこをむんずと掴まれ、床に尻をこすりながらもドクオが引きずられていく。

(;^ω^)「…うるさかったみたいだお…」

(=;゚ω゚)ノ「…守衛に連れてかれちまったヨゥ…」

主役が強制退去させられてしまった。
どう見ても作戦失敗です、本当にありがとうございました。


336 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:52:17.66 ID:SbRobX6R0




二つの作戦が失敗したところで、僕らは地下教室で頭を抱えていた。

(;^ω^)「なんで…なんで上手くいかないんだお?」

(=゚ω゚)ノ「(こんなんで上手く行くはずないけど面白いから黙ってるヨゥw)」

('A`)「…やっぱり…僕には…無理なんだよ…もういい…諦める…」

(#^ω^)「何言ってんだお!ここで諦めてどうすんだお!
せめて想いを伝えてからにしろお!」

(=゚ω゚)ノ「(あれで伝わるような相手ならむしろ願い下げだヨゥ…)」

('A`)「でも…」

ξ゚听)ξ「あれ、あんた達さっきから見ないと思ったらこんな所にいたの。何してんの?」

でももどうももないと僕が言おうとした瞬間、
ドアを開けてツンが入室してきた。
 


337 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:53:42.45 ID:SbRobX6R0

( ^ω^)「いいところにきたおツン、実はかくかくしかじかで…」

ξ゚听)ξ「ほうほう…」

僕は今までの事の顛末をかいつまんでツンに伝える。
彼女は女の子だ、もしかしたらいいアドバイスをくれるかも知れない。

ξ゚听)ξ「なるほどねぇ…」

('A`)「…もう…いいんだ…」

ξ゚听)ξ「ちょっと待っててね、ドクオ」

そう言うとポケットからペンを二本取り出すツン。
何か妙案でもあるのだろうか。

ξ )ξ「今、この豚を始末するから」

ん?

ξ#゚听)ξつー
    つー「バルス二式!」

(;;゜ω゜)「目がぁぁぁぁぁぁぁぁ両目がぁぁぁぁぁ」

ξ#゚听)ξ「てめぇの腐った作戦が通じる訳ねぇだろこのアグー豚が!!」

あぁ、もう何も見えないけど目隠しプレイみたいで気持ちいいです。


339 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:54:59.26 ID:SbRobX6R0

真っ暗な視界の中、ツンの声だけが聞こえる。

ξ゚听)ξ「いい?ドクオ。好きな人に想いを伝えたい時は、人に全て任せちゃ駄目なの。
それは自分の本心ではないでしょ?
本当にその人にわかって欲しいなら、
自分の言葉で、
自分のやり方で、
自分の想いが全て伝わるように祈りながらじゃないと。ね?」

('A`)「自分の…やり方…言葉で…」

ξ゚听)ξ「そう。わかったらもう一度いってらっしゃい。
今度はちゃんと伝わるようにするのよ」

('A`)「…うん!」

誰かの走り去る音と、ドアが開く音。

(=゚ω゚)ノ「さて、俺らは物陰から見守るとしますかヨゥ、豚さん?」

僕はイヨウと思われる人物に背負われ、どこかへと運ばれていった。
 


340 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:56:07.26 ID:SbRobX6R0

(;^ω^)「やっと視界が回復したお…」

今僕は、ロビーのソファの陰にツンとイヨウと共に隠れている。
視線の先にはそわそわと落ち着きなく辺りを見回すドクオの姿。
ここからなら事の有様が良く見えるいいスポットだ。

川 ゚ −゚)

ξ゚听)ξ「…きた!」

エレベーターから降りてきたクーは珍しく一人でいて、
小脇にテキストを抱えている。
これから講師に質問にでも行くのだろうか、なんにせよ絶好のチャンスだ。


342 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:57:59.82 ID:SbRobX6R0

('A`)「(…自分の…言葉で…!)」

(;'A`)「あ…あの!クーさん!」

川 ゚ -゚)「ん?」

振り返ったクーの長い黒髪がふわりと揺れ、ゆっくりとまた肩に落ちる。
目鼻立ちのくっくりした顔には一寸のずれもなく、
まさに大和撫子とはこの人の事を言うのだろうなという印象を受けた。

(;'A`)「ぼ、僕…ドクオって言います…!こ、こ、こ、」

( ^ω^)「(がんばるおドクオ!)」

(;'A`)「こ、こ…」

ξ゚听)ξ「(がんばれ!)」

(;‘A`)「こ、これ…」

(=゚ω゚)ノ「(がんばれヨゥ!)」

(;‘A`)「これ、読んでください!!」

ドクオが後ろ手に持っていた何かをクーに手渡す。

(*^ω^)ξ*゚听)ξ(=*゚ω゚)ノ「(やった!!)」

川 ゚ -゚)「これは…」


343 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:58:38.36 ID:SbRobX6R0


川 ゚ -゚)「冒険王ニィトの最新刊…?」


345 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 18:59:10.31 ID:SbRobX6R0


(*^ω^)ξ*゚听)ξ(=*゚ω゚)ノ・・・

( ゜д゜)ξ゜д゜)ξ(=゜д゜)ノ
 


346 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 19:00:20.53 ID:SbRobX6R0

(;'A`)「こ、これ…僕の好きな漫画です…
と、友達に…なって…欲しくて…まずは…僕の趣味から知って…もらおうと…」

もう駄目だ…何もかも終わった…幾ら何でもそれはないだろうドクオよ。

川 ゚ -゚)「奇遇だな、君もこの漫画が好きなのか」

(;‘A`)「…え?」

(;^ω^)ξ;゚听)ξ(=;゚ω゚)ノ「…え?」

川 ゚ -゚)「これはいい、こんなところに同士がいたとは。
さっそく語り合おうではないか、さぁさぁ」

まだ状況の掴めていないドクオの手をひいて、クーは談話室の方へと去っていく。
当のドクオは何がなんだかわからないといった顔をしている。
僕もなにがなんだがわからない。頭が変になりそうだ。


348 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 19:01:27.64 ID:SbRobX6R0

(;^ω^)「人生、何が起きても不思議じゃないって事かお…」

ξ;゚听)ξ(=;゚ω゚)ノ「うん…」

哀愁漂う三人の背中だった。


その後、ドクオは無事クーと携帯のアドレスを交換する事に成功し、
ちょくちょく冒険王ニィトについてメールを送り合っている。

また、これはドクオに聞いた話なのだが彼女が落ちた理由は、
冒険王ニィトの作者のサイン会に行っていて受験会場に遅れたから、だそうだ。
案外アホなのかもしれない。てかアホだろ。
 


349 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 19:02:08.49 ID:SbRobX6R0

そしてその日の帰り道。

( ^ω^)「しっかしドクオも上手くやったもんだお…」

(=゚ω゚)ノ「まさかああなるとは思わなかったヨゥ…」

( ゚∀゚)「ニッポンジン皆shyスギデース」

( ^ω^)「そういうジョルジュはどうなんだお?彼女とかいるのかお?」

本当はビザの有無とか国籍とかを聞きたいのだけども。

( ゚∀゚)「of courseイマスヨー。Oh,丁度迎エニキマシタネー」
 


350 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 19:03:22.69 ID:SbRobX6R0

从'ー'从「ジョルジュく〜ん、迎えにきたよ♪」

いきなり現れた真っ赤なスポーツカーが、
急ブレーキをかけて僕らの目の前に停車する。

( ゚∀゚)「渡辺サーン、ゴ苦労デース。デハ二人共、byebye〜」

颯爽とスポーツカーに乗り込み去っていくジョルジュと女性。

(=;゚ω゚)ノ「国民的アイドル…アヤカ渡辺…」

(;^ω^)「ジョルジュ…あやつは一体…」

雲の切れ間から太陽がその顔を覗かせ、
暖かい日差しが独り身二人を優しく照らしてくれていた。
 


351 名前: お猿さん(東京都)[] 投稿日:2007/03/15(木) 19:03:52.18 ID:SbRobX6R0

(´・ω・`)「…これで…よしっと」

「夏休み合宿プラン」

(*´・ω・`)「うふふ、皆びっくりするだろうな♪おっと、カメラも買わないと」

梅雨はもうじき明け、やがてやってくる。受験の天王山、夏休みが。

 

 

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